📋 この記事でわかること
- 電気工事士が副業で絶対入るべき保険の種類
- 保険なし副業の具体的なリスクと損害額
- 月2,000円〜入れる賠償責任保険の選び方
- 本業の保険が副業に使えるかの判断基準
電気工事士の副業に必要な保険は「賠償責任保険」「傷害保険」「収入保障保険」の3種類です。
無保険のまま副業を始めると、感電事故や施工ミスで数百万円の賠償を自己負担するリスクがある。
私も独立初年度に保険を後回しにして、ひやりとした経験がある。
この記事では18年の現場経験と副業歴をもとに、電気工事士が副業で入るべき保険を具体的に解説する。
① 電気工事士の副業で保険が必須な理由
電気工事は「事故ったとき損害額が大きい」業種だ。
壁の中に火が走れば、建物の修繕費だけで300万〜1,000万円になる。
施主は個人宅のこともあれば、テナントオーナーのこともある。相手が法人だと損害賠償請求は容赦ない。
🔧 現場からのひとこと
副業2年目に知人宅のコンセント増設で配線を焦がした。本業の会社保険は「就業外の個人作業」を対象外と言われた。結局、個人賠償責任保険に入っていたおかげで弁護士費用込みで対応できた。保険料は月1,800円だった。
本業の会社が加入している保険は会社の業務範囲のみが対象だ。
副業は完全に自己責任の世界になる。それだけに保険の整備が先決になる。
副業で起こりやすい3大リスク
| リスク | 想定損害額 | 必要な保険 |
|---|---|---|
| 施工ミスによる火災 | 300万〜1,000万円 | 賠償責任保険 |
| 感電・転落による自分の怪我 | 治療費+休業損失 | 傷害保険 |
| 第三者への感電・怪我 | 50万〜500万円 | 賠償責任保険 |
② 賠償責任保険|副業の副業なら最優先で入れ
保険の中で最も優先度が高いのが賠償責任保険だ。
施主への損害補償が主な目的になる。月額2,000〜5,000円で補償額1億円まで設定できる商品も多い。
電気工事士向け賠償責任保険の選び方
一般の個人賠償責任保険では「業務上の賠償」は対象外になる場合がある。
必ず「請負業者賠償責任保険」か「生産物賠償責任保険(PL保険)」に加入すること。
💡 ポイント
「電気工事業」と明記した保険を選ぶこと。職種を伏せて加入すると、いざ事故が起きたとき「告知義務違反」で保険金が出ない可能性がある。代理店に「副業の電気工事を対象にしたい」と明確に伝えること。
2026年時点で選べる主な保険商品
| 保険種別 | 月額目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 請負業者賠償責任保険 | 3,000〜8,000円 | 施工中の事故に強い |
| PL保険(生産物賠償) | 2,000〜5,000円 | 施工後の不具合にも対応 |
| 業者向けセット型 | 5,000〜12,000円 | 両方カバーできる |
副業初期は月3,000〜5,000円のセット型を選ぶと安心だ。
③ 傷害保険|自分の怪我は労災が使えない
副業中に感電や転落で自分が怪我をした場合、本業の労災は一切使えない。
副業は個人事業主扱いになるため、労災の対象外だ。治療費と休業中の収入は全額自腹になる。
⚠️ 注意・警告
副業中に怪我をして「本業の労災を使おう」と考える人がいる。これは不正受給だ。発覚した場合、会社や本人が行政処分の対象になる。副業の怪我は必ず個人加入の傷害保険で対応すること。
傷害保険で確認すべき3つのポイント
① 就業中の事故が対象か
一般的な傷害保険は「業務中」を除外しているものがある。「職業危険度クラス」を確認する必要がある。電気工事士はリスクが高い職種として分類されることが多い。
② 入院補償日額はいくらか
副業の日当が1万5,000〜2万円なら、入院1日あたり最低1万円の補償が欲しい。日額5,000円の格安プランでは足りない。
③ 骨折・脱臼の通院補償があるか
電気工事士の現場事故で多いのは転落による骨折だ。通院補償ありのプランを選ぶこと。
🔧 現場からのひとこと
副業3年目に脚立から落ちて足首を捻挫した。大事には至らなかったが、通院が10日続いた。加入していた傷害保険から通院補償として1日3,000円×10日=3万円が支払われた。保険料は月1,200円だった。コスパは十分だった。
④ 収入保障保険|副業が本業化したら必須
副業収入が月5万円を超えてきたら、収入保障保険の検討が必要だ。
病気や大きな怪我で長期入院になったとき、副業収入が完全にゼロになる。そのリスクをカバーするのが目的だ。
収入保障保険の基本設定
| 副業月収 | 推奨補償額 | 月額保険料目安 |
|---|---|---|
| 3万〜5万円 | 月3万円 | 1,500〜3,000円 |
| 5万〜10万円 | 月5万円 | 3,000〜5,000円 |
| 10万円以上 | 月10万円 | 5,000〜8,000円 |
収入保障保険は60歳まで保障が続くタイプが多い。
副業収入が安定してきた段階で、ファイナンシャルプランナーに相談するとよい。
⑤ 本業の保険が副業に使えるかの確認方法
「会社の保険で副業もカバーできないか」という質問をよく受ける。
結論は「ほぼ使えない」だ。ただし、確認すべき例外もある。
確認すべき3つの質問
質問① 保険証書に「副業・個人作業」の除外条項があるか
ほとんどの企業保険には「被保険者が個人として行う業務」を除外する条項がある。証書の約款を必ず確認すること。
質問② 保険の適用範囲が「会社の指示による業務」に限定されているか
この記載がある場合、副業への適用は完全にアウトだ。
質問③ 一人親方向けの特約を別途購入できるか
本業の保険会社が一人親方向けのオプションを販売していることがある。担当代理店に確認する価値はある。
💡 コツ
本業の保険担当者に聞くときは「副業で電気工事をしたいのですが、今の保険で対応できますか」とストレートに聞くこと。曖昧な返事のまま進めると、事故後に「対象外」と判断されるリスクがある。
⑥ 副業の規模別・保険の組み合わせ早見表
副業の規模によって必要な保険は変わる。整理しておく。
| 副業規模 | 最低限入るべき保険 | 月額合計目安 |
|---|---|---|
| 月1〜2件・月収3万円以下 | 賠償責任保険+傷害保険 | 4,000〜7,000円 |
| 月3〜5件・月収5〜10万円 | 上記+収入保障保険 | 7,000〜13,000円 |
| 月5件以上・月収10万円超 | 全種フル加入+生命保険の見直し | 15,000〜25,000円 |
副業収入が月10万円を超えたタイミングが、保険を全面見直しするサインだ。
🔧 現場からのひとこと
独立5年目に副業収入が月12万円を超えた。このタイミングで保険を全面的に見直した。年間の保険料は約20万円になったが、補償が充実した安心感が施主への提案にも自信を与えてくれた。保険料を経費計上できるのも個人事業主の強みだ。
⑦ 保険料は経費になる|節税の観点も忘れずに
副業を個人事業として確定申告するなら、保険料の多くが経費として計上できる。
経費計上できる保険・できない保険
| 保険種別 | 経費計上 | 勘定科目 |
|---|---|---|
| 賠償責任保険 | ○ 全額 | 損害保険料 |
| 傷害保険(業務中のみ) | ○ 全額 | 損害保険料 |
| 収入保障保険 | △ 条件あり | 税理士に要確認 |
| 生命保険(貯蓄型) | × 不可 | 経費計上不可 |
賠償責任保険と傷害保険は「損害保険料」として全額経費計上できる。
年間の保険料が8万4,000円(月7,000円)なら、その分だけ課税所得が下がる。
💡 ポイント
保険料の領収書や保険証書は必ず保管すること。確定申告で経費計上するときに必要になる。クラウド会計ソフトで撮影保存しておくと便利だ。
📋 まとめ
- 副業に必要な保険は「賠償責任保険」「傷害保険」「収入保障保険」の3種類
- 本業の会社保険は副業には原則使えない
- 賠償責任保険は「請負業者賠償責任保険」か「PL保険」を選ぶこと
- 傷害保険は「業務中の事故が対象」かを必ず確認すること
- 副業月収5万円超えで収入保障保険を追加する
- 賠償責任保険と傷害保険は経費として全額計上できる
- 副業月収10万円超えが保険を全面見直しするタイミング
保険は「入る前に事故が起きる」から価値がある。
月5,000〜7,000円の出費で数百万円のリスクをカバーできる。
副業を始める前に、保険の整備を最初のステップにすることをすすめる。
📚 関連記事